電話番号「120」にかけるとどうなる?0120との違いや料金の真相
ふとした瞬間にスマートフォンの発信履歴を見て「120」という見慣れない3桁の数字が残っていたり、問い合わせ窓口へかけようとして誤って「120」に発信してしまったりした経験を持つ人は少なくありません。110番(警察)や119番(消防・救急)といった緊急通報と同じ「1から始まる3桁番号」であるため、「どこかの公的機関につながるのでは」「高額な請求が発生するのではないか」と不安を覚える声も寄せられています。
総務省の電気通信番号計画およびNTT各社などの通信キャリアの公式規定をもとに取材を進めると、この「120番」を取り巻く仕組みと、ユーザーが陥りやすい勘違いの構造が鮮明に見えてきました。本稿では、固定電話やスマホから120番へ発信した際の実際の挙動や通話料の発生有無、フリーダイヤル(0120)との根本的な違い、そして誤発信時の正しい対処法まで、通信の現場データとともにわかりやすく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:電話番号「120」は現在どの公的機関や企業にも割り当てられていない「未利用の3桁特番」であり、発信しても専用のガイダンスが流れて自動切断される。
- 要点2:多くの誤発信はフリーダイヤル「0120」の最初の「0」を押し忘れたことが原因であり、通話料や請求が発生する心配はない。
- 要点3:110番や119番と異なり折り返し電話や緊急出動がかかるリスクはないため、慌てず通話を切り、正しい番号へかけ直せば実害はゼロで済む。
【実態検証】電話番号「120」にかけるとどうなる?スマホ・固定電話での挙動

日常生活で耳にする3桁番号といえば、110番(警察通報)、119番(火災・救急)、117番(時報)、177番(天気予報)などが代表的です。では、実際に120番の電話番号へ発信した場合、受話器の向こうでは何が起きるのでしょうか。
固定電話(NTT東日本・西日本の一般加入電話やひかり電話)および主要モバイルキャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)から「120」へ発信した場合の挙動を検証すると、いずれの回線でも相手を呼び出すコール音(プルルル音)が鳴ることはなく、未利用番号を告げる自動アナウンス(ガイダンス)が流れます。
具体的なガイダンス文言はキャリアや通信環境によって多少異なりますが、一般的には次のような音声が再生されます。
- NTT固定電話・ひかり電話:「お客様がおかけになった電話番号は、現在使われておりません。番号をご確認のうえ、もう一度おかけ直しください。」
- 大手携帯キャリア各社:「こちらは〇〇です。おかけになった番号はおつなぎできません。」「おかけになった電話番号は現在使われておりません。」
ガイダンスが数回繰り返された後に通話は自動的に切断されます。オペレーターや担当者が応答することは構造上あり得ないため、「誰かに迷惑をかけてしまったのではないか」と過度に心配する必要はありません。

0120(フリーダイヤル)との違い|なぜ120番への間違い電話が多発するのか?

ネット上の相談コミュニティや知恵袋などで「120に発信してしまった」という事例を分析すると、その大半が「0120」から始まる着信課金番号(通称:フリーダイヤル)の入力ミスに起因していることが判明しています。
通販の注文窓口や企業のカスタマーサポート、役所の特設ダイヤルなどにかける際、手元のメモや画面を見ながらテンキーを操作していると、最初の「0」を押し忘れたり、スマートフォンのタッチパネルの反応ラグによって最初の「0」が認識されずに「120」から番号が入力されてしまったりするケースが後を絶ちません。
通信規格における0120と120の決定的な違いは、番号体系そのものにあります。
- 0120(フリーダイヤル等):「0AB0」で定義されるプレフィックス型着信課金サービス。発信者側の通話料負担がなく、全国の企業・コールセンターへ接続される正規の10桁番号。
- 120(1XY番号):電気通信事業者(NTTなど)が交換機制御や公共情報サービス用に予約・管理する「3桁特番」の枠組み。現時点では個別サービスとして開通しておらず、利用不可。
スマホの画面上では「0」が1つ抜けただけの些細な違いに見えますが、電話交換機側ではまったく別のネットワーク処理ルートとして認識されるため、120番へ発信した瞬間に「無効な宛先」として弾かれる仕組みになっています。
【一覧表】日本の3桁特番(1XY)と120番の現在の使われ方

日本の電気通信番号体系において、「1XY」で始まる3桁特番は、緊急性・公共性の高いサービス、または電話網の保守・案内のために総務省によって厳格に指定されています。他の主要特番と120番の位置づけを一覧で比較・整理しました。
| 特番・番号 | 主な用途・接続先 | 通話料金 | 編集部の見解・位置づけ |
|---|---|---|---|
| 110番 | 警察への事件・事故通報(警察本部通信指令室) | 無料 | 人命・治安維持に関わる最優先緊急通報 |
| 119番 | 消防・救急・救助要請(消防指令センター) | 無料 | 人命救助・火災鎮火を担う最優先緊急通報 |
| 118番 | 海上保安庁への海難・事件通報 | 無料 | 海上の安全確保を目的とした緊急指定番号 |
| 117番 / 177番 | 時報 / 天気予報サービス | 有料(通常通話料) | 生活情報の自動音声提供サービス |
| 188番 / 189番 | 消費者ホットライン / 児童相談所虐待対応 | 188はナビダイヤル通話料 / 189は無料 | 近年拡充された全国共通の公的相談窓口 |
| 120番 | 現在未利用(空き番号・予備) | 無料(未接続ガイダンス) | サービス未割り当てのため接続不可 |
現在、総務省の番号計画において120番は「未指定(将来用予備または未運用)」の状態が維持されています。過去にも一般向け公的サービスとして恒常的に運用された履歴はなく、現行の通信インフラにおいて120番にかけると即座に「不成立通話」として処理されます。

通話料金と誤発信時の対処法|請求やトラブルのリスクはあるのか?
間違えて発信してしまった際、多くの利用者が最も懸念するのが「通話料の発生」と「折り返し電話などの実害」です。この点について結論から言えば、金銭的・法的なリスクは一切ありません。
1. 通話料金の発生有無
日本の通信キャリア各社(NTT東日本・西日本、KDDI、ソフトバンク、各MVNO事業者)の課金規約では、「相手先(または有料音声案内装置)に着信して通話が成立した時点」から課金が開始されます。「現在使われておりません」といった未接続ガイダンスは交換機側で自動送出される無課金音声であるため、スマホでも固定電話でも通話料は1円も発生しません。
2. 警察や消防のような「折り返し通報」はあるか?
110番や119番といった緊急通報番号に誤発信した場合、指令センター側は「通報者が倒れた」「事件に巻き込まれて声が出せない」といった緊急事態を想定し、発信元の位置情報を特定して即座に折り返し発信を行ったり、場合によっては警察官が現地急行したりするオペレーションが組まれています。
しかし、120番は緊急通報受付機関ではないため、逆探知や折り返しの確認電話が入ることは100%ありません。発信に気づいた時点でそのまま通話を終了(終話ボタンを押す)すれば、それ以上の手続きや連絡は一切不要です。
一般に知られていない盲点とネットの誤解
インターネット上の掲示板やSNSでは、120番に関して事実と異なる噂が語られる場面が散見されます。代表的な2つの誤解を正しておきましょう。
誤解1:「120番は裏の緊急連絡先や秘密のダイヤルである」という都市伝説
「110番や119番の仲間だから、政府や自衛隊の非常時用ホットラインなのではないか」といった噂が語られることがありますが、これは明確な誤りです。総務省の情報通信審議会で管理される電気通信番号規則において、国家的な非常回線は暗号化された専用線や個別優先網が使われており、一般の加入者網から3桁で直通するような仕様にはなっていません。
誤解2:「海外ローミング中に120にかけると高額請求される」という噂
海外滞在時に「120」へ発信した場合、滞在国の電話網の解釈に従うことになります。例えば一部の国や構内交換機(ホテルやオフィス内PBX)では、特定の短縮番号や内線として機能しているケースがありますが、日本の通信回線からの国際ローミングであれば通常は「無効な短番号」として弾かれます。意図しない詐欺ダイヤル等へ勝手につながることは基本的にありません。

【プロの結論】間違い電話が起きる心理的要因とスマホ誤発信を防ぐリスク管理
誤発信という現象を単なる「うっかりミス」で片付けるのではなく、人間工学的・認知心理学的な観点から捉え直すと、現代のスマートフォン操作に潜む根本的なリスク構造が浮き彫りになります。
人間は視覚情報として「0120」という文字列を認識する際、先頭の「0」をプレフィックス(前置記号)として無意識に軽視し、本体である「120」に意識を集中させてしまう傾向(選択的注意の偏り)があります。さらに、静電容量方式のスマートフォンの画面は、指先がかすかに触れただけでもタップとして認識されるため、ポケット内での誤動作(ポケットダイヤル)や入力の取りこぼしが構造的に発生しやすいのです。
こうした誤操作を未然に防ぐため、以下の3つの運用ルールを推奨します。
- ウェブ検索からのワンタップ発信を活用する:企業の問い合わせ番号を手動入力せず、公式サイトに埋め込まれたリンク(telリンク)から直接発信画面を立ち上げる。
- 発信前の画面確認をルーティン化する:「0」が先頭に入っているか、桁数が10桁あるかを緑の発信ボタンを押す直前に1秒だけ指差し確認する。
- スマホの誤動作防止設定を有効にする:iPhoneの「手前に傾けてスリープ解除」の感度見直しや、Androidの「誤操作防止モード(ポケット内誤動作防止)」をオンにしておく。
【120 電話】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:スマホの着信履歴に「120」と表示されていたのですが、これは何ですか?
A1:発信履歴ではなく「着信」として120が表示されている場合、海外からの偽装番号による国際ワン切り詐欺や、IP電話の番号偽装システムを悪用したスパム着信の可能性があります。心当たりがない場合は絶対に折り返し発信をせず、履歴を削除して着信拒否設定を行うことを強く推奨します。
Q2:120番に間違えて電話をかけたら、警察や消防から確認連絡が来ますか?
A2:連絡が来ることは一切ありません。120番は警察・消防などの緊急通報回線とは完全に無関係な未利用番号です。そのまま通話を切断すれば完了です。
Q3:子どものおもちゃのスマホや古い携帯で120にかけても大丈夫ですか?
A3:契約が有効なSIMカードが入っていない端末や解約済み端末では、そもそも発信処理が行われません。契約中の端末からかけた場合でも、未接続ガイダンスが流れるのみで課金や通報トラブルには至りません。
まとめ:120番の仕組みを理解してスマートにトラブルを防ぐ
電話番号「120」は、現行の日本の通信網においてサービスが割り当てられていない未利用の3桁番号です。スマホや固定電話から発信しても「現在使われておりません」という自動ガイダンスが流れるだけであり、通話料金の請求や公的機関からの折り返しといった実害は一切発生しません。
万が一発信してしまった場合でも慌てる必要はありません。速やかに通話を切り、本来の目的であるフリーダイヤル(0120)や企業の代表電話番号を落ち着いて再入力しましょう。番号体系の正しい知識を持っておくことが、日々のデジタルコミュニケーションにおける不要な不安の解消につながります。 (出典: 120 電話(Yahoo!ニュース))